お客様は理不尽である バイトの苦悩
日々、生産性の無いアルバイトをしている
島の中をひたすら歩き回りお客様に笑顔を振り撒く
気分はリアルハムスター
字面にするとちょっとカッコ良い
常に笑顔
38歳アルバイトの笑顔はひたすらに気持ち悪いだろうが業務命令だ
致し方ない
ジャグラーの島を歩いているとお客様によく話し掛けられる
笑顔だから
何か良い情報でもくれるのか?と思いきや大概愚痴
やれ「出ない、ボッタクリだ」と仰られる
「こちらも商売でやっているので諦めてください。そのお金がバイトの給料になり業者の支払いに変わる流れです。何事もほどほどですよ。」
溢れ出そうになる言葉を抑えて
「上の者にもっと遊べるようにしてくださいと伝えておきます。」
笑顔で言う
偽善者である
だって伝えないもん
バイトにそんな権限がある訳無かろうもん
そんな愚痴は可愛いもので
「俺のジャグラーがレギュラーだけで7連チャンした!何かしてるだろ?!」
何かとは噂の遠隔である。
そんな技術知ってたらバイトなんかしてない
そもそも俺のジャグラーとは何だ?
お店の物だ
7連チャン?
連チャンしてるじゃん?ダメなの?
ビッグだけで7連チャンしたら愚痴も言わないどころかホクホクで帰るのに?
自分に都合の良いことはラッキーで都合の悪い事は遠隔ですか
それでも困った振りの笑顔で
「上の者にもっと遊べるようにしてくださいと伝えておきます。」
困り笑顔が得意になって困る
バイトはそんな愚痴を受け止める係
愚痴だけ受け取り反論も許されない係
お客様はいつだって理不尽である。