誘われて悩んだらとりあえず『YES』で。『NO』から『やっぱりYES』に変えるのは難しい。
人生を左右する程の誘いにすぐさま『YES』と答えるようなNOT聡明な方は居ないと信じて書く事としよう。
私は今、後悔している。
何故かって?
チャンスを逃したからだよ。
話の流れはこうだ。
先週だったか先々週だったか、有難迷惑で断る事を許されぬお誘いを受けた。
取引先のお偉いさんからのお誘い。俗に言う接待の強要だ。
口癖が『話もしたくない奴らばかりだ』の勝ち逃げ世代の取締役。
ありがたい事に異常なまでに気に入られ仕事を貰い続けれている訳だが時としてその誘いは億劫に感じる。
妻曰く『恋人か!』と嫉妬の対象になっているレベルである。
残念な事に私にそういった類の趣味は無い。
いつものように誘いを受け、当日までカウントダウンを数えるばかりの数日前に別のお誘いを受けた。
相手はそう、メルカリを駆使する取締役からだ。
このメルカリ取締役は歳も近く兄の様に慕っている未来ある取締役だ。
そんなメルカリ役が未来ある事業を立ち上げるべく参加する研修に『お前も行くか?』と誘ってくれたのだ。
よりによって勝ち逃げ役が誘ってきた日と同じ日に・・・
私は悩み、そしてメルカリ役の誘いを断った。
勝ち逃げ役が先約だった旨をキチンと伝えて『それなら、仕方ないな・・・また今度な!』と後味の悪さだけを残して。
そして断った後、今、私は後悔している。
よくよく考えたら勝ち逃げ役の誘いは接待なので夕方から。
メルカリ役の誘いは正確には聞いていないが朝から精々夕方までだ。
朝早くから仕事を適当に済ませて研修に参加した後、接待すれば間に合ったのではないか?
最悪、勝ち逃げ役の誘いなんて遅れて行けば良かったのではないか?
勝ち逃げ役の残された時間より未来あるメルカリ役との時間の方が大事なのは明らかだ。
何が悲しくて勝ち逃げ役と仲も良くないないおっさん達と飲まなくてはいけないのか?
そう考えた時、私は後悔しかしなかった。
『何故あの時『YES』と答えなかった?』
一番初めに『NO』と言ってしまうと覆すのは難しい。異常に。異常にだ。
『やっぱりYES!』が通じるのは上の世界の住人の特権でしかない。
『お前初めに断ったよな?今更YESは無いわ~マジ無いわ~』が現実である。
ならば迷ったなら『YES』と答えるのがベターである。
『YES』からの『NO』はまだ言いやすい。
調整に調整を重ねそれでも無理だと判断した時に『やっぱりNOです。ごめんなさい。』なら段取りする時間の猶予も生まれ、可愛げもある。
相手も『そうか、都合悪かったか。じゃぁまた今度な!』など後味の悪さは残らない。
『NO』からのスタートは何も生み出さず、『YES』からのスタートは可能性を見いだせる猶予を持てるものだと経験則から言わせて頂いて本日は締めさせて頂く。
断った後、勝ち逃げ役から電話があって『お前、メルカリ役から誘い断ったんだって?行けばいいじゃないか?お前は頭数に入ってないんだから』などと妙に嬉しそうなトーンで言われた時は歯茎から血が出る程、噛み締めたのは忘れない。絶対に忘れないのである。
未来への数少ないチャンスを棒に振らされた中年バイトの脱出劇はまだまだ先になりそうなのである。
~オワリ~
因みに両取締役にこれを見られた時、私の人生に『NO』を突き付けられるのは言うまでもないのである。