子供と食べる妻の手作りホットケーキは涙が出る程美味かった。
いつからだろう。
バイトを始めてから子供達とまともに向き合って無かった気がする。
ただ働くだけじゃダメって分かってから色々な事に挑戦している。
このブログもその一つ。
同じ業界の人に働きかけて新規事業の立ち上げの必要性を説いてみたり。
どいつもこいつも来年・再来年の展望はかろうじてあっても5年、10年先の未来は見えてない奴らばっかりだ。
自分も含めて。
そんなこんなで忙しい。
家族と共にホットケーキもゆっくり食べれなかったくらいに。
日曜日で家族皆が居ようが家の隅っこで難しい顔してパソコンとにらめっこ。
インターネッツ上には将来を明るく照らし背中を押してくれるものなんて無いのに。
あるかもしれないけど見ようとしてない、やりたくないだけだろうけど。
家族を大して顧みず何処に向かって突っ走ってるかも分からない私に妻は優しい。
『ホットケーキ食べる?コーヒーもあるよ。』
『子供のリクエストでアイスも乗っけてみました~』
嬉しそうにはしゃぐ皆を見て私は思う。
皆の笑顔の為にと大層な大義名分を掲げ闇雲に明後日の方向に突っ走る私は正しいのだろうか?
私自身が楽しめて居ない事をやる必要はあるのだろうか?
『もっと力を抜いて本当にやりたい事をやりなよ!』
そうホットケーキの上のアイスに言われた気がした。
私にも味あわせたくて妻が買ってきた高級そうなバニラアイスは最高に美味しく、それを幸せに食べてる皆の笑顔は最高に輝いていた。
『私はまだ頑張れる。』
そう思ってアイスとホットケーキを頬張ってる妻に口づけをしてこう言ったのだ。
『別々に食べた方が美味しいね。』と。
幸せな時間が台無しになったのはいうまでもないのである。
~オワリ~