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見られたいような見られたくないような

パチンコ業者なのにパチンコ屋でアルバイトしてる人の日記。

自分の息子には限りなく甘い取締役は私を限りなく自由に使う。

いらっしゃい。

飲んだら帰って。

 

そんな台詞を幸薄い系の美女に言われたい。

 

 

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取引先の取締役がマンションを買った。

以降マンション役と表記する。悪意は無い。

 

マンション役はもう還暦を過ぎている。

高所得な故に住宅ローンもすんなり通ったと何度も何度も自慢された時はとうとうボケが始まったか?と心配したくらいだ。

 

ご立派な自宅が郊外にあるにも関わらず便利の良い街中にマンションを買うとは第2の人生を見据えてなのだろう。そう思っていた。

 

 

実態は違った。

 

ご長男様を大都会から呼び戻す為に新築のマンションを購入してエサにしたのだ。

 

大都会でフリーターをなさっていたご長男様が結婚すると言い出し、未来を案じたマンション役がご自身が取り締まる会社のどこぞやの部門にパワーを使いねじり込んだ。

 

そしてご長男様若夫婦は何の労もせずお高い新築マンションをゲット。

 

ここまでなら良い。まだ良い。私には何の関係も無いのだから。

きっとお金持ち界隈ではよくあるストーリーだろうし。

 

それを怒った振りをして嬉しそうに話すマンション役から聞いてるだけで昼御飯代が浮くならいくらでも聞こうではないか。

 

 『将来、俺があのマンションに住んで、バカ息子があの家(豪邸)に住む計画だ。だから家のリフォームだけは済ましてやらんとな。バカ息子には金がかかって困るぞ。おい。』

 

『ですよね~』しか言えない自分が悲しい。

 

『金持ちだから良いんじゃないっすかね』なんて言えない自分が悲しいけども。

 

 

ある日、私に一本の電話がかかってきた。

マンション役からだ。

 

光回線がマンションに繋がった。設定を頼む。デスクトップとランはある。』

 

『ちょっと仰ってる意味が分かりませんが?』

 

『とにかくマンションに一緒に来てくれれば良い。』

 

かくして、私は会った事も無いご長男様のマンションに赴き「光回線でパソコンを動かす」ミッションを請け負った。

 

当日16時の約束があちら様の都合で18時になったのは些細な事だ。

『良いマンションだろう~』

ご機嫌なマンション役と共にご長男様若夫婦と初のご対面。

 

来客があると知っているはずのお二方ともスウェットで出迎えられ、フローリングには様々な『毛』が散見出来た時にも私は笑顔だ。

 

紙コップにぬるい午後の紅茶を出された時はさすがに笑顔を失ったが。

 

早速作業に取り掛かろうとするも、どうやら聞いていた話と違う。

 

 『インターネットには繋がっている。パソコンの設定さえしてくれれば良い。』

 

そう聞いていたはずだ。

 

うん。繋がってない。デスクトップもランもない。

事実を包み隠さず伝えるも『今日NTTが工事をやって開通したはずだ。』

 

なるほど。

 

若夫婦達は『インターネット開通したのにWi-Fiに繋がらないね~』などとじゃれあっていたのには〇意を覚えたのは言うまでもないだろう。

 

そこからマンション役は『一回会社に戻る。』などと言い残し現場を去り、プロバイダー契約の書類のパスワードが必要だとご長男様に伝えると『車に行って取ってくるっす~』と言って姿を消した。

 

残されたのは縁も所縁も無いご長男様の奥様と私。

 

時間にしておおよそ10分くらいか。正しい時間は分からぬ。

 

初めて会った男女が密室で二人きり。

 

文字にするとワクワクするかもしれないが現実は常に現実である。

 

 

パスワードを無事に入手し、ネット開通。

Wi-Fiに繋がる事に喜びあっている新婚の二人は初々しく可愛かった。

 

スウェットだけど。

 

やっとパソコンの設定に移れる。

そう思った矢先に『これっす~』と差し出された未開封のノートパソコン。

 

マンション役は何を思って『デスクトップとランはある!』と豪語していたのだろう。

 

もう突っ込むのすら疲れた私はサクッと初期セットアップをガン無視してグーグルクロームだけインストールしてインターネットには繋がるようにだけはしておいた。

 

満面の笑顔で『最低限の事はやっておきました。後から必要なものはご自身で入れて下さい』の言葉を添えて。

 

そうして、いつの間にか戻って来てたマンション役に

『困った事があったらこいつに連絡しろ』とLINEでの連絡先の交換を強要され、部屋を後にしたエレベーター内で『これからも息子と仲良くしてやってくれ。新事業を立ち上げた時はお前が上司で構わないから。』などとご長男様の今後を託された私。

 

これまた笑顔で『はい!』と答えるも心の中では『お断りです!』と唱えるのであった。

 

帰りの車中で『今日はありがとうございました!』のメッセージと共に初音ミクのスタンプが添えられて来た時、私は『二度と関わるまい』と決めたのである。

 

~オワリ~