小さな目標 成功したことはまだ一度もない小さな目標
私はイタズラが大好きである
仕事(バイト)そっちのけで全精力をイタズラに注ぐ
多分他のスタッフからは嫌われてると思う
「あのおっさんまた下らない事してるわ」
「反応しなければ機嫌悪くなるしさ」
「年上ってだけで同じバイトじゃねぇか」
こんな心情だと思う
かなり悲しい
が、真面目に仕事(バイト)なんかしたくないし仕事にはスパイスが必要だと思う
そんなスパイスを提供する事に生き甲斐を感じてしまってるのだ
じゃなければ38歳にもなってパチンコ屋でバイトなんてやってらんない
イタズラの一例その1
リアルハムスター中他のスタッフと目が合うのは多々ある
そこで私は片手を上げて後ろに他のスタッフの後ろにお客様がいるかのように振る舞う
片手を上げて「それ私がやります」的な顔で
慌てて後ろを振り向き確認するスタッフ
だが誰も居ない
そして私自身も瞬時に移動し視界から消え去る
残るのは「またやりやがった!あのおっさん!」と憤るスタッフだけ
このイタズラの成功率は非常に高く、やる頻度さえ間違えなければ100%
同じ日に二回通じるのは新人スタッフくらいのものだろう
イタズラの一例その2
空き台に飲み残されたジュースの缶は一旦一か所に集めるルールがある
カウンターと呼ばれる場所だ
そこには若くもなく、可愛くもなく、愛想もないおばちゃんが常駐している
そんなおばちゃんにも私は容赦しない
完全にカラの空き缶を「お願いしま~す」と持っていき素早く去る
するとおばちゃんはカウンターの下に缶を置こうとする
だがそれは完全にただの「空き缶」
ゴミ箱に捨てるだけの物質だ
「またやりやがった!あのおっさん!」
そんな顔でゴミ箱に捨てに行く姿は可愛くもなんともない
イタズラの一例その3
至る所にゴキちゃんのおもちゃを配備する
女性スタッフの出番が多い時には大活躍するゴキちゃん
時には床だったりパチンコ台のハンドルの下だったり
同じ色だとすぐに見抜かれてしまうので色も変えたりもしている
涙ぐましい努力
勿論、お給料様
おっとお客様には絶対にバレないように細心の注意を払っている事は強調したい
ビクッとなった後に恐る恐る確認した後の女性スタッフの安心した顔は何事にも代えがたい
そして「またやりやがった!あのおっさん!」と表情が変わるのは宝物である
等々そりゃ嫌われるだろうなというイタズラを日々繰り広げている
私の中で絶対のルールが存在する
「社員には絶対にやらない」
嫌いだからやらない
「引っかかってくれたスタッフには必ずジュースをおごる」
アメとムチ
このルールだけは守り日々スパイスを提供しているのだ
そんな私の小さな目標は
マイク放送中の人間を笑わす事である
これはバイトでも移動式マイクを使いお客様の呼び出し等を行う
マイク放送が始まるとおもむろに放送してる人間の真正面に回り面白顔をする
だが一度も、ただの一度も笑わす事に成功したことはない
この小さな目標を達成する為、日々努力をしているのである。
そんな私は厄介な38歳バイトであると自覚している。