メルカリで転売してる取締役が錬金術を私に披露してくれた。
平日の昼間から飲むビールが異常に美味しく感じる。背徳感なんざ持ち合わせていない。
怠惰な人間になったもんだ。
まぁバイトだから良いか。
私にはボスが居る。
取引先の取締役。現場のトップ・オブ・トップ。
ボスはお金持ちだ。
ボスはイケメンだ。
ボスは魅力的だ。
ボスはお洒落だ。
ボスは変わっている。
大ボスが株でアホみたいに儲けている中、メルカリやヤフオクで転売をしている。
何がボスを小銭稼ぎに走らせてるいるかは知らない。
ボスでもお金に困る時くらいあるのだろう。取締役なのに。
そんなボスがある日、私にこう言ってきた。
『転売まじで儲かるぞ?手間なんてほぼかからない。安く入札して落とせなかったら次へいくだけだ。』
ボス・・・
あなたのお給料で時給換算したら、お幾らですか?
その労力でもっと御社を云々かんぬんして頂きたい。
そして私に好待遇を頂きたい。
そしてまた別のある日、ボスがこう言ってきた。
『良い服がある。元値は〇万だ。お前には特別に〇万で売ってやる。どうだ?良い買い物だろ?』
私は瞬時に察した。
ボスが『儲かる』と豪語する理由が。
これは錬金術だ。
安く落札したものが軒並み高く売れる。
そう、部下や私みたいな業者達に!
決して強制はしない。ボスは優しいのだ。
優しいが故に断りにくいのだ。
しかも本当にお洒落だから困る。モノは良いモノを提供してくる。
そうして『今度、飯行こうな!』の一言が欲しくて購入してしまう。
『こういう稼ぎ方もあるんだ。』と思いながら。
ボスの転売失敗の穴埋め作業だろうが親切心からの行動だろうが権力を持つ人間は錬金術が使えて羨ましいなと思ったのである。
万が一、私が権力を握ってもメルカリには手は出さないと誓ったのである。
~オワリ~
因みにボスには死ぬほどお世話になっている。
恩も一生かけても返せないくらいだ。
ただひたすらに一人の人間として尊敬している事だけは強調しておきたい。
なので万が一、億が一このブログに辿り着き、私に気付いたとしても怒らないで下さいませ☆ミ